2009年に「それでも人を愛する犬」(講談社)を出版して、感動と涙を誘った著者が、新たに猫バージョンを来春さんこう社から刊行します。16年間に及ぶ犬猫保護活動の中で出会った「不遇な猫」と、彼らを終の棲家へ導く過程を綴った、心に沁みる16のノンフィクションです。
田辺さんはこの本について以下のように語っています。
登場する猫たちはいわゆる「譲渡のレベルの高い猫(里親が決まりづらい猫)あるいは「私の心に強く残っている猫」になります。しかし、ただただ不憫、可哀想、憐れ、といった書き方をしません。彼らがどのような苦労をたどり、そして苦労の末、どう生き、何を得たのか、それによって私が何を得てきたのかを伝えたいのです。広義では「動物愛護書」の意味合いを含んでいると思いますが、私は愛護の色を強く出すつもりはありません。彼らと私とあるいは里親との絆、未来、輝きに焦点を当てていけたら、と考えています。
田辺さんは「幸せの703号室」というブログを書いておられます。語られる文字の隅々から、犬猫への愛情が感じられるブログです。添えられている写真が、いつも素晴らしいもの。愛情をそそがれた犬猫の表情は生命力に溢れています。生きていて本当に良かったと思わせるものばかりです。
この本を手にした方は、猫がただ愛玩物ではなく、家族として生きる姿に触れると思います。そして、彼らがペットショップの猫でなく、見捨てられていたノラ猫だったということを。
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